伝統的な技術を基盤に、現代的な感性を取り入れ、その高い技術性が人気を誇る人間国宝 北村武資さん作 繧繝錦 袋帯地「魚々子縞」 未仕立て品を入荷いたしました!
1935年に京都に生まれ、中学卒業後、京都西陣で製織業に入り、技術の習得に励んだ北村武資さん。
1959年に「龍村美術織物株式会社」へ入社し、1960年、北区紫野に小さな機場を借りて独立し、1963年には、後の重要無形文化財保持者となられた京都の友禅作家・森口華弘し氏が主宰する染織研究会に、参加するようになり、〝創作〟という概念を自身の内に築かれました。
1965年には伝統工芸日本染織展に初出品し日本工芸会会長賞を受賞、日本伝統工芸展に初出品し入選を果たし、世間に名を轟かせました。
その後も技術を磨き上げ、1995年に「羅」、2000年に「経錦」と二つの技法で人間国宝に認定され、染織界における最も重要な位置を占める染織家のひとりとなられました。
また、北村武資さんは、その高度な技術を再現するのみで満足することはなく、独自のリズムを刻む透かし文様が有機的な糸の力を引き出す「透文羅」、糸と糸とが織り成すダイナミックな結びつき、その連続性によって生まれる素材感が生き生きと感じられるようなオリジナリティ溢れる「変わり織」、奥行きのある品の良い華やかさが無二の存在感を放つ「煌彩錦」、地色に数色の縦縞が織り出され、その縞模様に重なるように文様が表現されており、落ち着きのある質感と趣のある「斑錦」など、数々の織技法を生み出されました。
今回ご紹介する繧繝錦は、「羅」「経錦」に並ぶ北村武資さんの代表的な作品の一つです。
「織物の組織そのものが表現」。
織の構造美を極め、織物を繊維の構造体として捉え、織の表現の根源に立ち向かい、示された織物の創造性。
典雅で華やかな品格を形成する色同士の関係や面積のバランス。厳選された配色は、文様を、より明快に、格調高く見せています。
平織と綴織りを併用することで表現される奥行き。
金糸と銀糸が交互に織り出す菱の、見る角度によって変わる表情。
北村武資さんの技術の贅が尽くされた作品からは、重厚感が溢れています。
黒の地に、金糸、銀糸を市松調に織り出し、平織と綴織の技法を併用した織繧繝の技法を用いて、織りの密度を微妙に変えながら層をなすように繰り返す、立体的で細かな魚々子縞文様が織り出された、光の奥行きが品格を高める人間国宝 北村武資さん作 繧繝錦 袋帯 (魚々縞)。
洗練されたデザインと織りの技が引き立てあう、日本の伝統美の奥深さを感じる作品です。
ぜひお手元でご覧くださいませ。
仕立て上がり時、長さ460cm、巾30.5cm
ホームぺージ未掲載ですので、お問い合わせ時は 「1月26日ブログの人間国宝 北村武資さん作 繧繝錦 袋帯地」とお伝えください。
残念な事ではありますが、北村武資さんは、2022年3月末に永眠されました。
とても人気があり、希少性の高いお品です。ぜひ、お早めにお問い合わせくださいませ。
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