商品番号:1846
日本工芸会正会員 松原利男作 長板中形 着物
商品詳細
日本工芸会正会員
仕立て上がり品
身丈肩154、裄63、袖丈46、前巾22、後巾28㎝
※サイズに関して、多少の誤差はご了承ください。
松原利男
父である長板中形の人間国宝.松原定吉さんからその技術を受け継いだご子息の一人、松原利男さん。
日本工芸会会員で数々の賞を受賞され、後継者の育成など素晴らしい功績を残されています。
本藍による染めは様々な作り手さんが手掛けられていますが、「澄まし建て」と呼ばれる松原利男さんの藍染めは、独特の色が魅力です。
きりりとした濃藍も趣深いものですが、透明感のある薄藍色の力もそのままながらの明るく柔らかな彩りで、江戸の粋を伝える藍染めの清澄な美しさがあり、着る人をとても格好良く引き立ててくれる、清々しく瑞々しい作品は多くのファンを魅了し続けています。
正藍染(正藍冷染)
藍染の中にも、「本藍染」や「正藍染」と呼ばれるものがあります。
正藍染とは、藍の葉を発酵させて作った蒅(すくも)を染料に還元する際に、灰汁(あく)のみで藍を建て、染液の維持に麩や貝灰以外を用いずに染め上げたものを指します。
宮城県栗原市文字地区の千葉家に伝わる「正藍冷染(しょうあいひやしぞめ)」は、現存する日本最古の染色技法で、藍を栽培し、天然の藍に熱を加えず、常温で自然発酵させて染料に使う藍染めの方法であり、草木染めの一種です。現在広く行われている藍染めは、藍瓶を加温して発酵の加減を調整しながら年中染めることができますが、「正藍冷染」は熱を加えることなく、藍の床伏せを行い、自然のままに発酵を促すため、染めのできる期間は初夏のごくわずかな期間だけです。そこが“冷染”と呼ばれる由縁です。
この染色技法は中国から日本へ伝来し、平安時代には確立されたものとなって日本各地で盛んに行われていたものです。しかし、明治に入り、安価で容易に染められるインド藍や人造藍が日本に入ってきたことにより、一気に衰退の道をたどりました。東北地方の農村などでは、大正末期から昭和初期頃まではこの染色技法を使って自家で使う分の衣類などを染める家庭がいくつか残りましたが、昭和20年代には藍染を行う家庭が千葉家を残すのみとなりました。藍を種から育て栽培、原料となる蒅で藍玉をつくり、機織りした麻布を染めるという一貫した作業を自家で行う技術。染織史上でも貴重な技術であるということが認められ、初代の千葉あやのさんが昭和30年に国の重要無形文化財技術保持者(人間国宝)に指定され、さらに勲五等瑞宝章(現瑞宝双光章)を受賞しました。藍染めの世界においての人間国宝は現在でも千葉あやのさん唯一人となっていますが、その技術は2代目よしのさん・3代目まつ江さん・4代目正一さんと受け継がれ、大切に守られています。
※文化財登録では“正藍染”です。“正藍冷染”は千葉家の商標登録です。
日本工芸会
日本工芸会は、重要無形文化財保持者(人間国宝)を中心に、伝統工芸作家や技術者などで組織されている日本の公益社団法人です。現在は、工芸分野重要無形文化財保持者を含めて正会員役1,200名が所属しています。「日本伝統工芸展」は日本工芸会が文化庁とNHK、朝日新聞社と主催する、日本の優れた伝統工芸の保護と育成を目的にした公募展です。昭和29年から1年に1回開催しており、日本工芸の技と美が集結する場となっています。他にも人間国宝を講師とする伝承事業や記録保存などを行うなど、無形文化財の保存や伝承および公開に関する事業を進め、その実績は他に比較するもののない唯一の組織です。
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