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商品番号:2015

人間国宝 小宮康孝作 江戸小紋 付下げ

商品詳細

重要無形文化財保持者(人間国宝)

日本工芸会正会員

仕立て上がり品

身丈肩約167、裄68,5、袖丈49、前巾25、後巾30㎝

渋みのある色の地に、大小の霰のような文様を敷き詰め、柔らかな線を配した、流れるような表情の動きを感じる趣深い人間国宝 小宮康孝さん作 江戸小紋 付下げです。

※サイズに関して、多少の誤差はご了承ください。

小宮康孝

小宮康孝さんは1925(大正14)11月12日、東京・浅草に生まれます。父(康助)は江戸小紋の初代重要無形文化財保持者(人間国宝)です。1938(昭和13)年、小学校を卒業すると、早くも父のもとで本格的に厳しい修行を始めます。
1942年、関東工科学校電機科に入学。昼は江戸小紋の板場、夜は学校の日々を送っていました。
1950年、使用していた合成染料をさらに質のよいものに切り替え始め、52年、父(康助)が「助成の措置を講ずべき無形文化財」に選定されます。この選定の際に江戸小紋という言葉が作られました。
3年後、江戸小紋の重要無形文化財保持者として認定された父のもとで研鑽をつみます。
1960年、第7回日本伝統工芸展で「江戸小紋 蔦」が初入選。以後、毎年出品するようになります。61年、父康助氏が死去。64年、第11回日本伝統工芸展で「江戸小紋着物 十絣」が奨励賞を受賞しました。
1960年代後半より、和紙製作者らの協力で型地紙の改良を始め、「よい型彫師がいなければ、江戸小紋は滅びる運命だ」という父の言葉に学び、型彫師の喜田寅蔵(1894-1977)等との関わりを大切にしたといわれています。
1978年父についで、重要無形文化財保持者(江戸小紋)に認定されますが、認定後も江戸小紋の制作、そして普及にも尽力されました。85年に東京都文化賞、88年に紫綬褒章を受章されています。
康孝氏は混乱の戦後を乗り越え、父から受け継いだ江戸小紋というわざを受け継ぎ発展させた我が国を代表する染色家といえます。2018年、息子康正氏も江戸小紋の分野で重要無形文化財保持者に認定され、孫も江戸小紋の仕事を手掛けており、脈々と江戸小紋の技は受け継がれています。
後継者の育成にも熱心で、日本の着物のさらなる発展に寄与した功績もあります。
小宮康孝さんは2017年肺炎のため死去。享年91歳でした。

江戸小紋

小紋と言われる小さな柄で型染めをした着物のことを江戸小紋と言います。
江戸時代に、武士の礼装である裃から発展したと言われており、当時は参勤交代で江戸にやってくる藩士たちを区別するため、藩ごとに決まった柄が定められていました。当時は大柄のものも存在しましたが、江戸幕府が小柄の小紋を武士の公服としたことから、各藩は競い合うかのように、より小さい柄を求め、そのことが結果的に職人の製作技術を高め、緻密で魅力ある着物になったと言われています。細かい柄になればなるほど型紙を作ることや染めることが難しくなるため、この模様は当時も格式の高いものとされていました。
また、江戸小紋は基本的に単色で作られているのが特徴ですが、その背景には江戸時代に出された「贅沢禁止令」があります。これは華やかな色や柄の着物を禁止するもので、それがかえって落ち着いた色味の中からバリエーションを楽しむ美的感覚や、細かな柄に対するこだわりが生み出されるきっかけになりました。
小紋の中でも広く認知され人気も高い江戸小紋は、細かい模様を単色で型染めした比較的落ち着きのあるデザインが特徴のお着物です。控えめながらも凝ったデザインのため、茶席や観劇、結婚式など、カジュアルからフォーマルまで幅広く着用することができますので、愛好者も多いのが特徴です。
江戸小紋は、柄ゆき次第で街着から改まったお席まで、様々な場面でお楽しみ頂ける重宝な着物です。

日本工芸会

日本工芸会は、重要無形文化財保持者(人間国宝)を中心に、伝統工芸作家や技術者などで組織されている日本の公益社団法人です。現在は、工芸分野重要無形文化財保持者を含めて正会員役1,200名が所属しています。「日本伝統工芸展」は日本工芸会が文化庁とNHK、朝日新聞社と主催する、日本の優れた伝統工芸の保護と育成を目的にした公募展です。昭和29年から1年に1回開催しており、日本工芸の技と美が集結する場となっています。他にも人間国宝を講師とする伝承事業や記録保存などを行うなど、無形文化財の保存や伝承および公開に関する事業を進め、その実績は他に比較するもののない唯一の組織です。



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