商品番号:320
人間国宝 千葉あやの作 正藍冷染 九寸名古屋帯地 未仕立て品
商品詳細
重要無形文化財 (人間国宝)
日本工芸会正会員
未仕立て品
※サイズに関して、多少の誤差はご了承ください。
千葉あやの
「正藍染」の重要無形文化財保持者・人間国宝に指定された着物作家、千葉あやのさん。
「正藍染」とは自然の温度で発酵させた藍の暖かみある色彩が特徴の草木染めのことで、日本最古の染色技法とも言われています。
1889年宮城県栗原郡に生まれ、幼い頃より機織りの技術に定評があった千葉あやのさんは、1909年に千葉家に嫁いだことを機に、義母より、3代目として藍を自然発酵させる藍染めの技法を習い、1955年には貴重な技術の伝承者として無形文化財「正藍染」の保持者に指定されました。「正藍染」の技法は、藍・麻の種まきを行い、栽培、糸作り、藍建て、染め、機織りで織り上げるまでの一貫の製作工程を全て1人の手で行います。現在も「正藍染」の人間国宝は千葉あやの氏ひとりのみに留まっており、一貫した自家での生産体制と幅広い技術力は高い評価を受けています。全て手作業にて作られる作品は、素朴で優しい風合いに満ちています。
千葉あやのさんの麻織は、苧麻ではなく、古事記にも登場する繊維で神事には欠かせない大麻を使用します。さらに、「正藍染」は自然のままの発酵で作られる着物ですので、染めが行われる期間は一年のうちの極僅かで、大変貴重な作品となっています。
現在、千葉あやのさんは、脳内出血のため、亡くなられてしまい、千葉あやのさんの貴重な技術は娘である千葉よしのさん、そして孫にあたる千葉まつ江さんに受け継がれ、現在もまつ江さんが正藍染の着物を作られています。
正藍染(正藍冷染)
藍染の中にも、「本藍染」や「正藍染」と呼ばれるものがあります。
正藍染とは、藍の葉を発酵させて作った蒅(すくも)を染料に還元する際に、灰汁(あく)のみで藍を建て、染液の維持に麩や貝灰以外を用いずに染め上げたものを指します。
宮城県栗原市文字地区の千葉家に伝わる「正藍冷染(しょうあいひやしぞめ)」は、現存する日本最古の染色技法で、藍を栽培し、天然の藍に熱を加えず、常温で自然発酵させて染料に使う藍染めの方法であり、草木染めの一種です。現在広く行われている藍染めは、藍瓶を加温して発酵の加減を調整しながら年中染めることができますが、「正藍冷染」は熱を加えることなく、藍の床伏せを行い、自然のままに発酵を促すため、染めのできる期間は初夏のごくわずかな期間だけです。そこが“冷染”と呼ばれる由縁です。
この染色技法は中国から日本へ伝来し、平安時代には確立されたものとなって日本各地で盛んに行われていたものです。しかし、明治に入り、安価で容易に染められるインド藍や人造藍が日本に入ってきたことにより、一気に衰退の道をたどりました。東北地方の農村などでは、大正末期から昭和初期頃まではこの染色技法を使って自家で使う分の衣類などを染める家庭がいくつか残りましたが、昭和20年代には藍染を行う家庭が千葉家を残すのみとなりました。藍を種から育て栽培、原料となる蒅で藍玉をつくり、機織りした麻布を染めるという一貫した作業を自家で行う技術。染織史上でも貴重な技術であるということが認められ、初代の千葉あやのさんが昭和30年に国の重要無形文化財技術保持者(人間国宝)に指定され、さらに勲五等瑞宝章(現瑞宝双光章)を受賞しました。藍染めの世界においての人間国宝は現在でも千葉あやのさん唯一人となっていますが、その技術は2代目よしのさん・3代目まつ江さん・4代目正一さんと受け継がれ、大切に守られています。
※文化財登録では“正藍染”です。“正藍冷染”は千葉家の商標登録です。

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