商品番号:3326
千葉よしの作 正藍冷染 上布 着尺 未仕立て品
商品詳細
未仕立て品
長さ 11m77cm 巾 37cm
※サイズに関して、多少の誤差はご了承ください。
千葉よしの
千葉よしのさんは奈良時代から伝わる日本最古の草木染「正藍冷染」を人間国宝であった母・千葉あやのさんから学んで受け継ぎ、一緒に制作活動を続けられ、そして後継者に伝承していくという大変な事を100歳近くまで続けられました。
現在は千葉まつ江さんが受け継いでおられます。
現在、常温で染める正藍冷染は千葉家以外では、あまり聞くことのない独特の技法となっています。気温とやりとりをしながら、熱を加えずに発酵した藍と向き合って染めていくのですが、そこには熱を加えたものとはまた違う面白さがあります。
種から藍を育て、藍玉をつくり、藍だてをし、麻布を染める一貫作業を千葉家では完全に保持しています。
1959年、千葉あやのさんの娘・よしのさんと孫娘・まつ江さんなど5名に正藍染技術保存伝承事業を実施。これにより5名が「正藍染(正藍冷染)」の正式な後継者となりました。
正藍冷染(しょうあいひやしぞめ)は、日本最古の染色技法で、栗原市栗駒文字の千葉家がその技法を伝承しています。
正藍染(正藍冷染)
藍染の中にも、「本藍染」や「正藍染」と呼ばれるものがあります。
正藍染とは、藍の葉を発酵させて作った蒅(すくも)を染料に還元する際に、灰汁(あく)のみで藍を建て、染液の維持に麩や貝灰以外を用いずに染め上げたものを指します。
宮城県栗原市文字地区の千葉家に伝わる「正藍冷染(しょうあいひやしぞめ)」は、現存する日本最古の染色技法で、藍を栽培し、天然の藍に熱を加えず、常温で自然発酵させて染料に使う藍染めの方法であり、草木染めの一種です。現在広く行われている藍染めは、藍瓶を加温して発酵の加減を調整しながら年中染めることができますが、「正藍冷染」は熱を加えることなく、藍の床伏せを行い、自然のままに発酵を促すため、染めのできる期間は初夏のごくわずかな期間だけです。そこが“冷染”と呼ばれる由縁です。
この染色技法は中国から日本へ伝来し、平安時代には確立されたものとなって日本各地で盛んに行われていたものです。しかし、明治に入り、安価で容易に染められるインド藍や人造藍が日本に入ってきたことにより、一気に衰退の道をたどりました。東北地方の農村などでは、大正末期から昭和初期頃まではこの染色技法を使って自家で使う分の衣類などを染める家庭がいくつか残りましたが、昭和20年代には藍染を行う家庭が千葉家を残すのみとなりました。藍を種から育て栽培、原料となる蒅で藍玉をつくり、機織りした麻布を染めるという一貫した作業を自家で行う技術。染織史上でも貴重な技術であるということが認められ、初代の千葉あやのさんが昭和30年に国の重要無形文化財技術保持者(人間国宝)に指定され、さらに勲五等瑞宝章(現瑞宝双光章)を受賞しました。藍染めの世界においての人間国宝は現在でも千葉あやのさん唯一人となっていますが、その技術は2代目よしのさん・3代目まつ江さん・4代目正一さんと受け継がれ、大切に守られています。
※文化財登録では“正藍染”です。“正藍冷染”は千葉家の商標登録です。
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