商品番号:4377
作家不詳 熨斗目 お召し訪問着
商品詳細
仕立て上がり品
身丈肩 167cm 裄 68cm 袖丈 49cm 前巾 25cm 後巾 30cm
味わい深い色合いで熨斗目調に表情をつけ、縦横の間道柄のような格子柄を織り上げ、情趣あふれる織で民藝美のある作風に仕上げた、熨斗目 お召し訪問着です。
※サイズに関して、多少の誤差はご了承ください。
地色:
韓藍色 深く渋い青紫
地色:
露草色 渋い青紫
地色:
枯野 明るく渋い橙
※書籍版「定本 和の色事典」にて色合わせを行っております。リンク先の色と実物は異なる場合がありますのでご注意下さい。
本郷孝文
1944年長野県松本市に生まれた本郷孝文氏は、民藝運動に関わっていた父親の影響で「織を芸術」とみて育ち、高校卒業後、大学進学とともに「映画映像の世界」に身を投じ、様々なものを映像と言う形で捉えながら多感な10代から20代の初めまでを過ごし、感性が研ぎ澄まされた25歳の時に実家に戻り、父親の手伝いから織の世界に入られました。
父親は白生地から脱して先染めの縞や格子を織り始め、また有明地方の天蚕を着物地に織り込んだ最初の人という大の織物好きであり、その父親からは織を教えてもらうだけではなく、「織物」への考え方の影響も受けました。また、父親の知人であり、日本の芸術運動の推進者「民藝」の創始者、柳宗悦氏の甥で染織界の大家であった柳悦博氏を師と仰ぎ、様々な織組織の見本を見ることで、美への感じ方、見方、デザイン、など口では表現できない“間”を作り出す感性を磨きました。
柳悦博氏と父、この二人の影響と自分自身の映画映像で培った力から織を多角的に見つめ、分析し、文献から織を学び取られました。 この時の蓄積が「常時20種類ほどは織ることが出来る」と言う本郷氏の力を導き、単なる工芸品にとどまらない域まで到達させ、今工房では「吉野織」「ロートン織」「綾織」「花織」「しず機織」「浮織」「摸紗織」「織十字絣」「花刺し子織」「菱織」などなど……ジャガードを使わない手織で数え切れない織物が作られています。
また、柳悦博氏の教えから、着物を実用と考え、薫陶を受けた本郷氏は、ひたすら
着る人の身体に寄り添うしなやかな風合いを追究し、力をかけすぎぬようにゆっくりと手で引いた糸を用い、撚り掛けの回数や打ち込みの工夫によって、程良い張りと厚みを備えながらも驚く程軽い、袖を通したそのときから着た人の身体に馴染むように最高の糸使いで織り上げた素晴らしい着心地の織物を製作なさっています。労をいとわず創り上げた極上の糸のちからが、複雑な織技によって遺憾なく発揮されたお品、糸そのものの輝きが生み出す気品豊かな世界を、ぜひお手元でご覧くださいませ。
柳崇
民藝運動の中心人物、柳宗悦氏の甥でもあり、染織家の柳悦博氏の長男として生まれた、染織作家の柳崇氏。
糸選びは国産の絹にこだわり、撚糸、精練、糸染め、機にかけて織り上げ、仕上げるまで全ての工程を自ら手掛けられます。
徹底した、糸と天然染料へのこだわりが生み出すきものは、手織りの印象を大きく左右する糸の光沢・力強さを感じます。
それが相まって草木染めでつくられた、
柳崇氏にしか出せない端正であり華やかな艶があります。
ふっくらと空気をはらんだように軽く、身に纏うとしっくりと身体に馴染む柳崇氏のきものは、父・柳悦博氏から受け継いだ真摯に作品と向き合う姿勢と、常に妥協のない納得のゆく作品を求める理念のもとに制作されています。
柳崇氏の作品は、全国に熱烈なファンを持ち、希少な生産量ゆえに入手困難なほどの人気を博しています。
糸の良さを最大限に生かす柳崇氏の技をお楽しみください。
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