10月8日~11月17日にかけて滋賀県立美術館にて開催されている「生誕100年記念 人間国宝 志村ふくみ展 色と言葉のつむぎおり」へ行ってまいりました!
志村ふくみさんは、滋賀県近江八幡市生まれの染織家、随筆家です。
31歳のとき母・小野豊さんの指導で植物染料と紬糸による織物を始め、1990年に紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
そんな志村ふくみさんの生誕100年を記念して、10年ぶりに個展が開催されました。
デビュー作から近年の作品まで、80点以上の作品が壁一面に並び、会場を色鮮やかに染めていました。
縞で藍の濃淡を利用したグラデーションが美しく、清らかな趣のお着物。
自然からのお色をそのまま鮮やかに発色し、柔らかい茶で織り出す格子柄が可愛らしい温かみのあるお着物。
深みのある紫色が安らぎを与え、さりげない市松模様が上品な、女性らしく優しい印象のお着物。
「草木染め」を極めた志村ふくみさんだからこそ表現できる、繊細で華麗な表情を見せてくれる作品が多数展示されておりました。
お着物・帯以外にも、綺麗に染められた糸の展示もされており、自然の深みや鮮やかさなど、自然の本質が引き出され、糸を愛していたという志村ふくみさんの愛情と情熱をひしひしと感じられました。
今回、数々の作品を見て、志村ふくみさんの「一色一生」というお言葉通り、草木染めの奥深さ、生命の尊さに触れることができました。
弊社でも、日本の伝統的な染色技術を誇りに思い、洗練された作品との出会いを大切に、楽しんでいきたいと思います。