商品番号:4000
日本工芸会正会員 城間栄順作 芭蕉布地 本紅型染 藍型九寸名古屋帯地 未仕立て品
商品詳細
日本工芸会正会員
未仕立て品
長さ 512cm 巾 35.2cm
可愛らしいフグを泳がせた、沖縄の美しい海の光景を描いたような藍型名古屋帯地です。
※サイズに関して、多少の誤差はご了承ください。
地色:
山吹鼠 明るく渋い橙。
※書籍版「定本 和の色事典」にて色合わせを行っております。リンク先の色と実物は異なる場合がありますのでご注意下さい。
城間栄順
日本工芸会正会員 城間栄順
昭和9年(1934年)沖縄県・那覇市生まれ。琉球王朝時代から続く紅型の三大宗家のひとつとして名高い城間家の15代目。(城間栄順さん)
現在はご子息の16代城間栄市さんとともに、城間紅型工房を営まれています。
戦後の混乱の中、紅型の復興に尽力した城間栄喜氏の長男として生まれ、父より城間家の伝統技術を継承しつつ色にこだわった独自の世界観を織りなす作品をつくりだしています。海と魚、自然をこよなく愛し、綺麗な沖縄の海をモチーフにした作品も多数あり、妥協を許さない精緻な手仕事でありながら、作品全体に感じられる大自然のおおらかさとあたたかさに魅了されます。
紅型染め
紅型(びんがた)染めとは、15世期頃に、日本本土や中国、東南アジアとの貿易を通して沖縄独自の染物として生まれ成長し、現在に至るまで、大切に守られ、受け継がれてきた伝統工芸です。
型紙を使って顔料で柄を染める、型染めという技法で染められ、沖縄ならではの色鮮やかな色彩が特徴です。
「紅型」と総称されてますが、彩色の技法で分類すると、赤、黄、青、緑、紫を基調とした色彩が大胆で鮮やかな「紅型」と、藍の濃淡で染め上げる落ち着いた色調の「藍型 (イェーガタ) 」に分類されます。
小刀を使って渋紙を彫っていきます。突き彫りという独特の技法で彫られ、手作業でないと出せない温かみのある線を表現しています。
刷り込み刷毛を使い、顔料で色を染めていきますが、紅型の顔料は自然界の植物や鉱物を粉末状にした天然顔料です。
朱、洋紅、石黄、美藍、本藍、胡粉といった顔料を豆汁と混ぜ合わせて色を作ります。
濃い顔料を使い、柄にアクセントをつけていきます。
隈取りとは、歌舞伎役者さんがお化粧をすることでもありますが、それと同じ意味合いで、柄に立体感をつけ、華やかさを増す、紅型の大きな特徴のひとつです。
モチーフとして描かれるものは、動植物、自然の風物、建物などの工作物と様々です。
風物では桜や梅、柳、菖蒲、雪持笹、雀、蝶など、友禅や江戸小紋と同じような文様も多く、他には鶴や亀、松竹梅、鳳凰などの吉祥文もよく使われています。
紅型は人気があり、作家さんとしてたくさんの方が参入されていますが、多くは独自路線で商品力で勝負されており、伝統に縛られることのない斬新なデザインで人気作家が次々に誕生しています。
芭蕉布
芭蕉布は、とんぼの羽のように透けるほど薄く、張りがあり、さらりとした肌触りが特徴で、「幻の布」と呼ばれる沖縄の織物です。
芭蕉布の歴史は古く、12〜13世紀ころから織られていたと考えられています。
芭蕉布は、琉球王国の時代から、その着物を身につけた他、最上の貢ぎ物として重宝されてきました。
また、風通しの良い生地は、高温多湿の沖縄での暮らしを快適にし、庶民の着物としても、普段着から晴れ着まで場所を選ばず着用されてきました。
「民藝運動の父」と呼ばれる柳宗悦も、芭蕉布に魅せられたひとりで、普段着として用いられる日常的な存在が、そのまま美しいものであることの素晴らしさを讃えました。
第二次世界大戦を経て一時衰退しましたが、
民藝運動家で染織家の外村吉之介氏に師事し、民藝や染織について学んだ平良敏子さんの尽力により、沖縄が日本に復帰した1972年に芭蕉布は県の無形文化財に、また1974年には「喜如嘉の芭蕉布」の名で国の重要無形文化財、経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されました。また2000年には、平良敏子さん自身も国の重要無形文化財「芭蕉布」の保持者 (人間国宝) に認定されました。
芭蕉布は、沖縄本島の北部に位置する大宜味村の喜如嘉を中心に、バナナ (実芭蕉) の仲間である糸芭蕉の繊維を用いて作られ、糸芭蕉の栽培から生地の仕上げまで全てを地元で手作業で行う稀有な工芸品です。
糸芭蕉は、3年ほどかけて人の背丈を超える大きさになるとやっと採取可能な状態になりますが、外側は暖簾や座布団などの材料に、その内側は帯に、着物には一番内側の真っ白でやわらかな繊維を用いて、さらに糸の質感によっても経糸と緯糸とに選別されていくため、1本の糸芭蕉からとれる繊維の量は20グラム程度と、ごくわずかで、着尺1反分には約200本の原木が必要と言われます。十分な糸を確保するには、手間を惜しまぬ畑の管理が必要であったりと、大変時間と手間をかけて制作されています。
芭蕉は乾燥に弱く、すぐに切れてしまう特性があるため、製作に最適な季節は梅雨時とされ、約2ヵ月かけて1反を織り上げます。
1.糸芭蕉の栽培、2. 苧剥ぎ、3. 木灰汁で原皮 を煮る、苧炊き、4.水洗い、5. 苧引き、6.乾燥、7.チング巻き、8. 苧績み、9. 緯管巻き、10. 撚り掛け、11. 整経、12. 煮綛、13. 絣糸の組み合わせ、14.絣結び、15.染色、16.絣解き、17. 糸繰り、18. 仮筬通し、19.巻き取り、20. 綜絖通し 、21. 筬通し、22. 織り、23. 反物の洗濯(最後の仕上げの約12の工程)
までの美しい過程を経て作られる芭蕉布。
芭蕉布が出来上がるまでには23の工程がありますが、そのほとんどが糸づくりに関わるものであり、織りの工程は全体の1%ほどしかないため、糸づくりにどれだけ手がかけられているか分かります。
糸芭蕉を育てる畑仕事に始まり、葉柄を剥ぎ、そこから繊維を取り出し、コツコツと糸をつくり、撚りをかけ、絣を結び、染め、織り、仕上げまでの一つひとつの手仕事の重なり、人が自然と向かい合って生まれる美しい布には、人を癒す力が宿ります。
日本工芸会
日本工芸会は、重要無形文化財保持者(人間国宝)を中心に、伝統工芸作家や技術者などで組織されている日本の公益社団法人です。現在は、工芸分野重要無形文化財保持者を含めて正会員役1,200名が所属しています。「日本伝統工芸展」は日本工芸会が文化庁とNHK、朝日新聞社と主催する、日本の優れた伝統工芸の保護と育成を目的にした公募展です。昭和29年から1年に1回開催しており、日本工芸の技と美が集結する場となっています。他にも人間国宝を講師とする伝承事業や記録保存などを行うなど、無形文化財の保存や伝承および公開に関する事業を進め、その実績は他に比較するもののない唯一の組織です。
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