商品番号:3749
人間国宝 玉那覇有公作 本紅型染 藍型科布(しなふ)八寸名古屋帯地 未仕立て品
商品詳細
重要無形文化財保持者(人間国宝)
日本工芸会正会員
未仕立て品
長さ 500cm 巾 31cm
※サイズに関して、多少の誤差はご了承ください。
玉那覇有公
玉那覇有公氏は1936年、沖縄県石垣島に生まれ、学校を卒業し石垣島の鉄工所で働き、その後、那覇に出て鉄鋼関係の仕事を探し、必死で働く日々の中「運命を変える人」紅型城間家14代、城間栄喜氏の一人娘、道子さんと出会いました。
奥様の道子さんは、紅型復興に命懸けで臨んだ栄喜氏の娘で、子供の頃から父の傍で基礎を叩き込まれており、結婚を機に玉那覇氏は紅型の世界に飛び込むことになりました。
義父の栄喜氏は1942年(昭和17年)に50枚の型紙を抱え、大阪に向かったまま沖縄戦となり、妻子と離れ離れで終戦を迎え、沖縄に戻り、ひとり残っていた道子さんと疎開から戻った息子と共に何もない所からこの50枚の型紙を元手に、紅型一筋で生き抜いた「紅型に関しては全く妥協を許さない」厳しい人でした。
当時、城間栄喜氏は工房を作り、何人か弟子も抱えていましたが、25歳と言う年齢で全く未経験の紅型の世界に飛び込んできた義理の息子に特別な目を向けることはなく、玉那覇氏の工房への出入りは「ある程度技術が身につくまではまかりならん」と一切拒絶されました。当時、城間家では、型紙を彫れる人が不在だったため、玉那覇氏は昼間は工房の下働きに徹して雑用をこなし、夜は徹夜で型彫の勉強と紅型の勉強に明け暮れました。やがて、義父から型紙彫の許可が出て、玉那覇氏は、工房の一員に加わり、琉球紅型を学び始め、奥様の道子さんの貴重なアドバイスを受けつつ、紅型に独自の道を開いていきました。その後、図案から型紙彫りを極め、すべての工程に精通し、義父から独立し、自身の工房を構え、義父の城間栄喜氏もそして世の中もが認める紅型作家になられました。
34歳に公募展へ初出品、数々の輝かしい実績を重ね琉球紅型の第一人者となられ、1996年、60歳の時に重要無形文化財「紅型」の保持者(人間国宝)に認定されました。さらに、伝統的な紅型技法を習得後も各種の古染型が伝える意匠や技法についての研究を重ねながら技の錬磨に努め、栄喜氏が染めていた両面染めを唯一取り入れ、二枚異型という独自の技法まで考案されました。
紅型は15世紀頃、海外交易で栄える琉球王朝のもとで生まれ、王族に愛用されて栄えました。王政が廃止されてから衰え、第二次世界大戦で途絶えましたが、戦後、玉那覇氏の義父、城間栄喜氏によって復興されました。紅型の優れた作家たちは、本土の人々の好みにあう意匠を用いて図案を作り、友禅や中国、インドなどの染色の影響を受けながらも独自の世界を作りだしたため、紅型で描かれる文様は、日本の本土の植物「松竹梅や雪輪」が多く見られます。紅型の「紅」は一つの特定された色の表現ではなく、色そのものを意味し、紅型の命は何よりも型紙の精緻さにあると言われ、図案を型紙に描いた後は、細い小刀の先で前方へ向けて突き彫りする方法で型が切り取られます。これらのすべての工程に精通し極めたのが玉那覇有公氏です。また、玉那覇氏の図案には草花が多く見られます。真摯に生きている姿から受ける命の輝きと躍動感は玉那覇氏を動かし、それを素直に感じるままに図案に落とし込まれています。綿密な図案と彫の細かさは玉那覇氏が随一と言われ、「色挿し」の際の色使いには、幼い頃から紅型の世界で育った奥様のアドバイスを取り入れておられ、夫婦で手を取り合って玉那覇有公という紅型作家の世界を築いてこられました。玉那覇氏の作品は、労を惜しまず同じ形の花や葉の一枚一枚に手挿しで何色もの色が重ねられ、濃淡の使い分けがあり、さらに暈しによって幾重にも表情を変えて行くという精緻な仕事が施されています。
半世紀を超えて身に付けた紅型の技法は、今も更に研ぎ澄まされています。玉那覇氏の手の中から作り出される世界を実際に手に取り、体感してみてはいかがでしょうか。
科布
「シナノキ」や「オオボダイジュ」の樹皮からつくられる「科布(しなふ)」は、葛布・芭蕉布と並ぶ日本三大古代布のひとつ。今では新潟県や山形県の一部地域のみで生産されています。樹皮から採れる靭皮(じんぴ)繊維をはいで、灰汁で煮て薄く裂き、出来上がった糸で丹念に織り上げます。通気性がよく、軽く、水濡れにも強く、使いつづけるほどに味わいが増す織物です。素朴で野趣味のあるざっくりとした生地感を活かして八寸名古屋帯や角帯、草履やバッグなどが作られ、盛夏の装いに最適です。2005年に「羽越しな布」が伝統工芸品に指定。
ざつくりとした手触りと落ち着きのある風合いが特徴です。
シナノキの樹皮の繊維から作られる古代織。
野趣味のある生地感は夏のお洒落に最適です。
紅型染め
紅型(びんがた)染めとは、15世期頃に、日本本土や中国、東南アジアとの貿易を通して沖縄独自の染物として生まれ成長し、現在に至るまで、大切に守られ、受け継がれてきた伝統工芸です。
型紙を使って顔料で柄を染める、型染めという技法で染められ、沖縄ならではの色鮮やかな色彩が特徴です。
「紅型」と総称されてますが、彩色の技法で分類すると、赤、黄、青、緑、紫を基調とした色彩が大胆で鮮やかな「紅型」と、藍の濃淡で染め上げる落ち着いた色調の「藍型 (イェーガタ) 」に分類されます。
小刀を使って渋紙を彫っていきます。突き彫りという独特の技法で彫られ、手作業でないと出せない温かみのある線を表現しています。
刷り込み刷毛を使い、顔料で色を染めていきますが、紅型の顔料は自然界の植物や鉱物を粉末状にした天然顔料です。
朱、洋紅、石黄、美藍、本藍、胡粉といった顔料を豆汁と混ぜ合わせて色を作ります。
濃い顔料を使い、柄にアクセントをつけていきます。
隈取りとは、歌舞伎役者さんがお化粧をすることでもありますが、それと同じ意味合いで、柄に立体感をつけ、華やかさを増す、紅型の大きな特徴のひとつです。
モチーフとして描かれるものは、動植物、自然の風物、建物などの工作物と様々です。
風物では桜や梅、柳、菖蒲、雪持笹、雀、蝶など、友禅や江戸小紋と同じような文様も多く、他には鶴や亀、松竹梅、鳳凰などの吉祥文もよく使われています。
紅型は人気があり、作家さんとしてたくさんの方が参入されていますが、多くは独自路線で商品力で勝負されており、伝統に縛られることのない斬新なデザインで人気作家が次々に誕生しています。
日本工芸会
日本工芸会は、重要無形文化財保持者(人間国宝)を中心に、伝統工芸作家や技術者などで組織されている日本の公益社団法人です。現在は、工芸分野重要無形文化財保持者を含めて正会員役1,200名が所属しています。「日本伝統工芸展」は日本工芸会が文化庁とNHK、朝日新聞社と主催する、日本の優れた伝統工芸の保護と育成を目的にした公募展です。昭和29年から1年に1回開催しており、日本工芸の技と美が集結する場となっています。他にも人間国宝を講師とする伝承事業や記録保存などを行うなど、無形文化財の保存や伝承および公開に関する事業を進め、その実績は他に比較するもののない唯一の組織です。
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